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コラム
2011/09/21 アリと農家
有機農家の毎日は忙しい。私は有機農業を始めて9年目になりますが、改めてそう思います。毎日毎日実に忙しいなあ。休みたいなあ。

先日、その日はとてつもなく厳しい残暑の日でしたが、畑仕事に疲れて一服していると、足元に一匹のアリがいて、彼は自分の3倍もある虫の死骸をよろよろしながら運んでいました。小石を乗り越え草の脇を通り、ゆっくりゆっくり進んでいきます。私は暑さと疲れでしばらくボーっとそのアリを見ていたのですが、本当に一生懸命運んでいるんですね。誰の力も借りず、一人で。ゆっくりだけれども着実に進んでいきます。

農家にとって、実はアリはあまり良い虫ではありません。ある種のアリは人を刺しますし(結構痛い)、害虫であるアブラムシの繁殖を媒介したり、益虫であるテントウムシを攻撃したりします。また、作物の近くに巣を作られるとうまく育ちません。そんなこんなで、農家である私も畑でアリを見るといい気持ちはしませんでした。出来ればアリなんていなくなればいい、と。

でも改めて一生懸命働いているアリを見てみると、頑張ってるなあ、大変だよなあって感心してしまいます。「アリとキリギリス」などの童話にあるように、アリといえば働き者の代名詞。農家にとっては確かにあまり良い存在ではないけれど、どのような存在であれ額に汗して働いている姿は美しい。「アリだって一生懸命働いているんだ、俺ももうひと踏ん張りしよう」!
うだるような暑さの中、私はまた畑仕事に勤しみました。

その日は精一杯働いたので、うちに帰ってからのビールは最高でした(笑)。
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